氷山との出会いから氷海航行
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昭和52年12月17日にオーストラリアのフリーマントル港を
出航した南極観測船「ふじ」は地球上でもっとも海の荒れる
南緯40度の海を通過します。南極大陸より吹き降ろす低温の
風で一年中暴風圏となっています。
約1週間の間木の葉の様に揺れた暴風圏を通過すると、気温は
どんどん下がり、海は穏やかを取り戻し、そろそろ氷山との出会い
を迎えます。上記写真の氷山は海に浮かぶ御殿を思わせます。
まもなく氷一面の氷海航行が始まります。
氷海航行
タンクに移動して、この重みで氷を割ります。
このスイッチバックを繰り返し船は進みます。
想像ではすごいショックかと思いましたが、丁度油の上を
滑る感じで、船内生活には殆ど影響しませんでした。
氷一面で船の進行が妨げられると、いよいよ氷海
航行が始まります。
船は一旦後方に下がり、
船に積んでいる水中タンクの水を後方タンクに移動して前方を軽くして、氷
の上に全速力で乗り上げ
ます。乗り上げると同時
に水中タンクの水を前方
進むに連れて氷の厚さは
増し始め、ふじに搭載して
いる偵察用のヘリコプター
が大いに力を発揮し、氷の
割れている隙間を見つけて
船を誘導してくれます。
初めは一年氷(パックアイス)
で非常に割れやすく、殆
ど航海には支障無く進み
ます。丁度この写真が、
青い海と白い海の境です。
氷山が見え始めた海は
どんどん水温が下がり
やがて氷一面の海に
変わります。この時が
一番南極に来た事を
実感させてくれます。
氷原に浮かぶ氷山を望む。